極度な事例
革の扱いは全く無関心だったというお客様。何年間もの染みと汚れ、水たまりにも落としたことがあるという素晴らしいご愛用品だ。職人からちょっとお叱りして、なんとかこの状態に…。ここまでくると、製造する方が簡単。(つらい!) ■この事例をきっかけに、以後当社は、「手遅れ状態」や「無理なご要望」、または、「ご理解いただけない場合」など、すべて「ご返品」させていただくことになりました。(お客様に喜んでいただくことが、私たちの「やりがい」です…) |
革の素材を透明感で表現するアニリン革。全く化粧をしていないピュアな製品だ。これを傷付けたり、摩擦で削ってしまうと実に大変な事態になる。「失ったものは戻らない」が、「なんとかまた使えるように」とのご希望だった。 |
汚れのように見える部分は、真皮(内部)がむき出した状態で、汚れではない。なめし工程で使用する染料に「白色」は存在しない。つまり依頼品は、顔料仕上げ品。摩擦によって表皮が脱落したためベースコートも消失していた。 |
一部のブランドにも定番の「キルティング」があるが、使用にはかなり注意が必要だ。お客様の声によると、「すぐ摩耗して来る」というのが弱点。レンズで拡大すると、白っぽく見えるのは「表皮が殆ど無い」状態だ。(え〜ん:泣) |
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羊皮はソフトで軽量という利点もある反面、表皮の固着度はやや劣るためか、ポリウレタン張りの製品が多い。(特にレディースジャケットに多い。)この依頼品は、ポリウレタンが劣化して、はがれているため至難の技となった。 |
2004年の事例/写真でみるより、現品はひどい劣化で、手遅れ状態だった。「色を塗ってくれればいいから!」と言うお客様。「それではお金を払って、一ヶ月も持たないですよ。」と説明。2種類の革をそれぞれ別々の作業を行なった。 |
革が激しく破れています。当社は通常、「手遅れ」と回答している例です。なぜなら、破れた革が残っていないのです。革を破ってしまったら、少なくとも「そのままの状態」でご相談ください。誠に残念ですが、お客様が革をむしり取ってしまい、悲しい結果となってしまいました。これでは、お客様に喜んでいただけません。 |
極度な事例では、「それでもまだ、使いたいので…」というご要望が大多数です。根本的に無理があるのですが、当社の職人は、「まだ使いたいという気持ちがある以上、ヤルしかないけど。でもねー」と悩みます。常に考えていることは、施工後の耐久性や持続性なのです。少しでも永くご使用できるように、と考えて取り組んでいます。ですから今後は、このような極端な状態になる前に、お早めにご相談くださいね。(スタッフ一同のお願いです) |