褪色・変色

 
紫外線に弱いオーストリッチ。蛍光灯の下や窓際に何日間も置いてると、こうなります。通気性の良い袋やケースに入れて、光を遮断して保管しましょう。最初は褪色、進むと変色になり致命的となります。一日も早く気付いてください。  
 
高級品ソフト・クロコ。原皮がグレー色に「変色」しています。手遅れです。お客様のご要望により特別な挑戦をしました。新品のように…とは成りませんでしたが、感触は最高です。ただ、工賃もかかってしまいました。  
 
昨年の猛暑に満員電車で通勤。毎日にように、手のひらの汗が浸透してました。仕上げに使用されていた含金染料が、汗の酸化で反応。赤いインクのような染みに変化した状態。汗は要注意!何年もこんなことを放置したら、アウトです。  
 
この革ジャンパーは、非常に珍しい「馬革」です。肉厚で表面は独特の滑らかさがあり、重量感があります。窓際にハンガー掛けしていて日焼けしてしまったそうです。ラッキーだったのは、基調が濃い色だったことです。これが淡い色彩だったらどうなっていたことか?日焼けは、色素を退化させるだけではなく、革自体を黄変色させます。黄ばんだ革に、淡い色彩は再現し難いことを知ってください。  
 
しっかり元は取ったご愛用品ですね。「いいえ!高かったから…なんとかして」、えっ?私は販売店ではないのですが。プレッシャーをいただきながら仕上げましたが、元々無理ですよー。こんなもん(仕上げ)でいいのでしょうか?  
 
この革ジャンパーは、複数の異なる革を使用しています。従って、全体的に褪色しているのですが、特にダークグリーンの革だけが、ひどく褪色・変色しています。染料の中でも、「赤と青」が褪め易い性質があります。この革の場合、ダークグリーンの染料には、「赤と青」の色素が多く含まれていたケースです。  
 
一部の革は、製造法によって、まるで磁石のプラスとプラスが反発する例のように、着色処理や仕上げ処理を、全く受け付けないタイプがあります。このバッグは、アメリカのブランド品で日本では高い人気ですが、残念ながら「受け付けない革」の定番です。画像のように年数が経つと、褪色や黄変色を生じ易いのですが、「染み、汚れ、キズ、磨耗、色」の修復は、非常に困難なタイプです。普段の管理には十分ご注意ください。