天然皮革の素晴らしさ

天然皮革の製品には、無限と言われるほどそれぞれの特徴があります。
これは、原料の違いばかりではなく、皮革の製造の過程にその違いがあり、製品の基調価値を高める技術と歴史、パフォーマンスがあるからです。

革製品が完成するまでを大別すると、原皮から行う「製造工程」(大規模)と、用途別に具体化される「加工作業」(小規模)に分けられます。
ここでは、一般的に「なめし」と広義されている、「製造工程」(=準備工程/なめし工程/仕上げ工程)の上で、代表的な皮革の種類をご紹介いたします。

皮革の種類

製造工程
「皮」から「革」になるまで
図:原皮
図:なめし
図:タイプ
図:仕上げ
図:革製品

なめし方法による分類

なめしの種類は極めて多く、同じ原皮であっても以下のなめし方法により、製品の特徴を大きく変えます。

[クロームなめし革]
クロム塩によるなめし法。大型ミキサーに皮となめし液を投入し、6〜8時間回転し、24時間以内でなめしを終了。この後、合成タンニン・植物タンニンによる再なめしを行うのが主流です。なめし期間が短く、経済性に優れ、製品は柔軟で保存性・耐熱性・染色性が良いことから、皮革製品の中でもっとも広く行われているなめし方法です。
[植物タンニンなめし革]
植物タンニンによるなめし法。最も古くから行われてきたなめし方法で、クローム革に比較して堅ろうですが、伸びや弾性が少なく、可塑性(変形させる)に富んでいます。また、タンニンの皮への浸透が遅いため、クロームなめしに比べてなめしに時間がかかり、コスト高ななめし方法です。主に、ヌメ革、クラフト革(手芸用革)、底革などの製造に使用されています。
[油なめし革]
セーム革や白なめし革に代表される油によるなめし法。特に、姫路白なめし革は古来から歴史を持つ日本独特の革として有名。
ナタネ油を使用した非常に手間のかかる伝統技術。淡黄色を帯びた白い革で、古くは武道具に用いられ、現在は財布、草履、バッグ類、文庫などに加工され、姫路の特産品となっています。
[その他のなめし革]
アルミニウムなめし(みょうばんなめし)/アルデヒドなめし/ジルコニウムなめし/ホルマリンなめし/樹脂なめし/混合なめし…等々