天然皮革の素晴らしさ

天然皮革の製品には、無限と言われるほどそれぞれの特徴があります。
これは、原料の違いばかりではなく、皮革の製造の過程にその違いがあり、製品の基調価値を高める技術と歴史、パフォーマンスがあるからです。

革製品が完成するまでを大別すると、原皮から行う「製造工程」(大規模)と、用途別に具体化される「加工作業」(小規模)に分けられます。
ここでは、一般的に「なめし」と広義されている、「製造工程」(=準備工程/なめし工程/仕上げ工程)の上で、代表的な皮革の種類をご紹介いたします。

皮革の種類

製造工程
「皮」から「革」になるまで
図:原皮
図:なめし
図:タイプ
図:仕上げ
図:革製品

タイプによる分類

製造工場では、用途に応じた革のタイプに区別して多種多様な加工を行っていきます。

[銀付き革]
天然の革の銀面(表面)を活かしたもの。美しい銀面と優れた耐久力、快適な使用感を備えた銀付革は、紳士靴、鞄袋物用革、ベルト、衣料用革として圧倒的な人気があります。
[ガラス張り革]
主に成牛革(厚い革)を用い、なめした革を平滑なガラス板、またはホーロー鉄板に張り付けて乾燥し、銀面を平らにし軽く研磨して、表面に顔料や助剤などで仕上げたものです。堅ろうで手入れが比較的簡単なので、タウンシューズ、学生靴、鞄バッグなどに使われます。ただし、堅ろうなタイプの革なので、キズ付けた場合には致命的となり易い革です。
[スエード革]
ベルベットの様な外観を与えるために、主に革の裏面をバフまたは毛羽立て機で加工し、内面の繊維が非常に短く仕立てられた革。原料によりその品質は大差があり、カーフやキッドなどの高級品から、床革に至るまで多数の製品があります。
[バックスキン革]
本来は大鹿革の銀面をバフして、スエード調に仕上げられたもの。
[ヌバック革]
主に、牛革の銀面をスエードよりも軽くバフして仕上げられたもの。
[床革]
銀面をそぎ落とした革を、主に床革と言います。ケバをバフしてスエード調に仕上げたものや、型押し革にも使われます。
やや毛足が長く仕立てられたものを、ベロア革と称します。
[その他]
シュリンクレザー
なめし工程中に、薬品を用いて革を縮めたもので、表面にシワを生じ、変わった趣きの革になります。
揉み革/エルク
なめした後に揉んだもので、手法は多種類あります。クロームなめしの牛革を柔らかく揉んだものをエルクと呼んでいます。
エナメル革
クロームなめしのカーフ、キッド、キップ、馬革などの表面に光沢の出る樹脂を塗装したもの。
型押し革
加熱高圧プレスにより型を付けたもの。ワニやトカゲなどの爬虫類に似せたり、幾何学模様にしたものが多数あります。